「KPT」は、日々の「反省」「改善」をスムーズに行うためのフレームワーク。シンプルですが、便利なフレームワークです。個人の業務にも利用可能ですし、組織を対象にしても有効です。
「KPT」はこのような場面で役立つフレームワークです。
しっかりと反省、改善をしていきたい。
なんとなく反省をした感じで毎回終わっている。
反省点を挙げるだけで終わってしまっていて、次の行動に繋がっていない。
悪い点だけでなく、良い点も確認する習慣をつけたい。
「KPT」のそれぞれの視点
Keep 継続
これまでの業務内容を振り返り、継続すべき点を挙げていきます。すでに「KPT」を実践している場合は、前回の「Try(挑戦)」で良かった点、成功した点がここに加わります。
Problem 改善
現状の問題点や課題を挙げていきます。
Try 挑戦
「Keep 継続」「Problem 改善」で挙げた点を踏まえて、チャレンジする項目を挙げていきます。思いつくままに挙げていき、その中から実際にチャレンジする項目を絞っていきます。
「KPT」の事例・具体例
新人のテレアポ業務での振り返り例です。
「Keep 継続」の例
- 元気よく笑顔で話す。
- 相手が名乗ったら、必ず一度は名前を呼ぶ。
- 事業内容を確認してから電話をかける。
「Problem 改善」の例
- 「とりあえず資料を送っておいて」と言われた時の良い切り返しがない。
- 先方に適した事例をスムーズに言えない。
「Try 挑戦」の例
- 相手が名乗っていない場合でも、会話が弾み出したタイミングで、名前を尋ねる。
- 当日の朝までに、テレアポリストに電話先の事業内容を入力し、スピードを早める。
- 「とりあえず資料」と言われた場合は、「具体的な事例など、メールでは送れない資料もあるので、一度お時間ください」と1回以上は粘る。
- 業種ごと、規模ごと、サービ内容ごとに事例をまとめておき、先方の条件に適した事例をすぐに探し出し、話せる状態を整えておく。
「KPT」の意見を引き出す質問例
Keep
- 今後も続けたいことは何ですか?
- 今後も続けるべきことは何ですか?
- よかった点は何ですか?その理由は?
- 他人に褒められた点はありますか?
- 他人に褒めてもらいたいことはありますか?
Problem
- 良くない点は何ですか?その理由は?
- 気になっていることはありますか?
- 予定や計画の通りにできなかったことはありますか?
- ルールや手順に沿ってできなかったことはありますか?
- ムダと感じていることはありますか?
- 理想と異なることは、どんなことですか?
- 我慢していることはありますか?
- 諦めていることはありますか?
Try
- 改善するには、何をすればよいですか?
- 現時点では改善、解決ができない場合、何をどうするべきですか?
- よかった点をさらに良くする方法はありますか?
- よかった点をさらに効率よく実現・達成する方法はありますか?
- よかった点を別の方法で実現・達成する方法はありますか?
「KPT」の注意点
- 複数名で行う場合は、相手の意見を初めから否定しないよう注意します。まずは意見を出し合い、出し切った後に絞り込んでいきます。
- 「Try 挑戦」は具体的かつ現実的な項目になるよう注意しましょう。「できる限り頑張る」「1日40件だった電話の件数を1日200件にする」等はNGです。
- 「Problem 改善」で挙げる課題が、本当に解決が必要な課題なのかを見極める必要があります。その課題を解決することが、本来の目標や目的を達成するための最短距離であるかを検討しましょう。また、複数名で行う場合は、個人攻撃にならないよう注意します。
- いわゆる「手段の目的化」に注意。組織の最終目標やビジョン、理念、コンセプト等を忘れないようにしましょう。
振り返りは大事!
「KPT」は個人でも組織でも利用できるフレームワークです。シンプルで使いやすいので、様々な場面で活用できます。振り返りの精度を高め、さらなるレベルアップを目指す場合にはぜひ活用してみてください。